この記事の要点
本人確認情報は、登記識別情報を提供できないときに、資格者代理人が申請人を本人だと確認して提供する情報です(不動産登記法23条4項1号)。
登記官が内容を相当と認めれば事前通知は不要です。相当と認められないときでも、直ちに却下されるのではなく、事前通知などの手続によります。
面識がない場合は、提示を受ける日に有効な本人確認書類(運転免許証など)で確認します(規則72条)。
本人確認情報とは、登記識別情報を提供できない場合に、司法書士や土地家屋調査士などの資格者代理人が、申請人が本人であることを確認して登記官に提供する情報のことです(不動産登記法23条4項1号)。
登記識別情報は、いわば登記の「パスワード」です。これを提供できないときは、本人になりすました不正な登記を防ぐため、原則として事前通知(登記義務者に登記所から通知して意思を確認する手続)が行われます。
資格者代理人が本人確認情報を提供し、登記官がその内容を相当と認めれば、この事前通知を省略できます。
ここが間違えやすい点です。資格者代理人が本人確認情報を提供したものの、登記官がその内容を相当と認めることができないときでも、その申請が直ちに却下されるわけではありません。
本人確認情報の内容を相当と認められないときは、登記識別情報を提供できない場合の原則どおり、事前通知などの手続によって処理されます。本人確認情報が認められなかった=即不合格、ではないということです。
資格者代理人が提供する本人確認情報には、申請人をどのように本人だと確認したかを記載します(不動産登記規則72条)。面識の有無で記載することが変わります。
面識がない場合に提示を受ける本人確認書類は、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものでなければなりません。有効期限の切れた免許証などは使えません。
本人確認情報と併せて提供する、資格者代理人が所属する土地家屋調査士会(司法書士は司法書士会)が発行した職印に関する証明書は、発行後3月以内のものであることを要します。
Q. 資格者代理人が提供した本人確認情報の内容を、登記官が相当と認めることができないときは、その申請は直ちに却下される。○か×か。
×。直ちに却下されるのではなく、事前通知などの手続によって処理されます。
Q. 資格者代理人が申請人と面識がない場合、提示を受ける本人確認書類(運転免許証など)は、提示を受ける日に有効なものでなければならない。○か×か。
○。面識がない場合の本人確認書類は、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものが必要です(規則72条)。
Q. 資格者代理人が申請人と面識がある場合の本人確認情報には、面識がある旨だけを記載すればよく、面識が生じた経緯までは記載しなくてよい。○か×か。
×。面識がある旨に加え、その面識が生じた経緯も記載する必要があります(規則72条)。
本人確認情報は、登記識別情報を提供できないときに資格者代理人が本人確認をして提供する情報で、登記官が相当と認めれば事前通知は不要、相当と認められないときでも直ちに却下されず事前通知などの手続によるものです。面識がない場合は提示日に有効な本人確認書類で確認します。
「相当と認められない=直ちに却下ではない」「面識ありは経緯まで記載」を押さえておきましょう。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 平成30 No.7 | 1 | 本人確認情報 |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。「記述」は記述式問題です。
参考にした資料
・不動産登記法 第23条(事前通知等/4項1号 資格者代理人による本人確認情報の提供)・第22条(登記識別情報の提供)/不動産登記規則 第72条(本人確認情報の内容・本人確認書類)で確認
・平成30年度 土地家屋調査士試験 午後の部 第7問(本人確認情報)/法務省 公式問題
※法令・取扱いは変更されることがあります。最新の不動産登記法・規則は法務省・e-Govでご確認ください。内容確認日:2026年6月16日。
まちがえやすいポイント
本人確認情報の内容を相当と認められないときでも、申請は直ちに却下されるのではなく、事前通知などの手続によります。「相当と認められない=直ちに却下」と早合点しないようにしましょう。面識がない場合の本人確認書類は、提示を受ける日に有効なものが必要です。