独学で学ぶ土地家屋調査士

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嘱託登記・代位登記とは|官公署の嘱託と債権者代位(不動産登記法16条・民法423条)

この記事の要点

嘱託登記は、国・地方公共団体などの官公署が登記権利者・登記義務者となるときに、申請に代えて嘱託によってする登記です(不動産登記法16条)。

代位登記は、債権者が債務者に代わって登記を申請するもの(民法423条)で、表示登記では公共団体が所有者に代位して分筆の登記を嘱託する例が典型です。

官公署が登記名義人となる嘱託では、登記識別情報は原則通知されませんが、通知を希望する旨の申出があれば通知されます。

登記は「当事者の申請」によるのが原則ですが、当事者が官公署であるときの嘱託と、他人に代わってする代位という例外があります。どちらも調査士試験で繰り返し問われる論点です。

嘱託登記とは(官公署が当事者)

嘱託登記とは、国や地方公共団体などの官公署が登記権利者または登記義務者となる場合に、申請に代えて嘱託によってする登記です(不動産登記法16条)。

たとえば公共事業のために官公署が土地を取得したときなどに行われます。嘱託には、原則として登記の申請に関する規定が準用されます。

代位登記とは(債権者が債務者に代わる)

代位登記とは、債権者が自己の権利を保全するため、債務者に代わって登記を申請することです(民法423条の債権者代位権)。

表示に関する登記での典型例が、土地の一部を買収した国・地方公共団体が、その土地の所有者に代位して分筆の登記を嘱託する場面です。代位による登記をするときは、代位原因を証する情報を提供します。

代位による分筆の嘱託(典型例) 公共団体 (用地を一部買収) 所有者に代位して嘱託 登記所 分筆の登記 代位原因を証する情報を添付して嘱託する
公共団体が土地の一部を買収した場合、所有者に代位して分筆の登記を嘱託することができる。※イメージ図です。

嘱託と代位は組み合わさることがある

「官公署が当事者だから嘱託」「他人に代わるから代位」という別々の話ですが、両方が重なることもあります。公共団体が所有者に代位して、その登記を嘱託するのがその例です。

区分 誰が手続をするか
申請当事者本人(又は代理人)所有者が自分の土地を分筆
嘱託官公署(国・地方公共団体など)官公署が取得した土地の登記
代位債権者が債務者に代わって公共団体が所有者に代位して分筆

官公署と登記識別情報の通知

官公署が登記名義人となる嘱託では、登記識別情報は原則として通知されません

ただし、官公署があらかじめ通知を希望する旨の申出をしたときは、登記識別情報が通知されます。「官公署だから絶対に通知されない」と決めつけるのは誤りです。

まちがえやすいポイント

「嘱託=官公署が当事者」「代位=他人に代わって申請」で、視点が異なります。公共団体が所有者に代位して分筆を嘱託する場面では、両方が同時に現れます。また、官公署が登記名義人となる嘱託でも、通知を希望する旨の申出があれば登記識別情報は通知される点に注意しましょう。

理解度チェック

Q. 嘱託登記は、国や地方公共団体などの官公署が登記権利者・登記義務者となる場合にされる。○か×か。

○。官公署が当事者となるときに、申請に代えて嘱託によってします(不動産登記法16条)。

Q. 土地の一部を買収した公共団体は、その土地の所有者に代位して分筆の登記を嘱託することができる。○か×か。

○。債権者代位(民法423条)により、所有者に代わって分筆の登記を嘱託できます。代位原因を証する情報を添付します。

Q. 官公署が登記名義人となる嘱託では、たとえ通知を希望する旨の申出をしても、登記識別情報は通知されない。○か×か。

×。原則は通知されませんが、通知を希望する旨の申出があれば通知されます。

まとめ

嘱託登記は官公署が当事者となるときの登記、代位登記は債権者が債務者に代わってする登記で、公共団体が所有者に代位して分筆を嘱託する場面が典型です。

官公署が登記名義人となる嘱託でも、希望の申出があれば登記識別情報が通知される点をあわせて押さえましょう。

分筆と地積更正の違い

登記識別情報とは(通知される場面・されない場面)

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参考にした資料

  • 不動産登記法16条(官公署の嘱託による登記・申請の規定の準用)、民法423条(債権者代位権)、不動産登記法21条ただし書・規則64条(官公署が登記名義人となる場合の登記識別情報の通知)を条文で確認
独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

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土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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