この記事の要点
近年は、令和3年の民法・不動産登記法改正を中心に、土地・建物のルールが大きく変わりました。
相続登記の義務化(2024年4月1日)と住所等変更登記の義務化(2026年4月1日)は、所有者不明土地対策の柱です。
調査士の実務・試験に直結する相隣関係の見直し(2023年4月1日)もあわせて押さえましょう。
法改正は試験で狙われやすいテーマです。ここでは、施行日とポイントを一覧にして、どの改正がいつから始まったかを整理します。
| 改正 | 施行日 | ポイント |
|---|---|---|
| 相隣関係の見直し | 2023年4月1日 | 隣地使用権・ライフライン設備設置権・越境した枝の切取り |
| 所有者不明土地・建物の管理制度 | 2023年4月1日 | 管理命令で管理人を選任できる |
| 相続土地国庫帰属制度 | 2023年4月27日 | 相続した不要な土地を国庫に帰属させる |
| 相続登記の義務化 | 2024年4月1日 | 取得を知った日から3年以内・過料10万円以下 |
| 住所等変更登記の義務化 | 2026年4月1日 | 変更から2年以内・過料5万円以下 |
相続で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
3年以内に遺産分割がまとまらないときは、相続人申告登記で義務を履行したものとみなされます。詳しくは相続登記の義務化の記事へ。
登記名義人の住所・氏名が変わったときは、変更があった日から2年以内に変更登記を申請する義務があります。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象です。
施行日前に住所等が変わっていた場合も、2028年3月31日までに申請する必要があります。登記官が職権で変更する「スマート変更登記」の仕組みも設けられています。
調査士の境界・測量の実務に直結する改正です。隣地使用権の明確化(209条)、ライフラインの設備設置・使用権(213条の2・213条の3)、越境した竹木の枝の切取り(233条)が整備されました。
とくに隣地使用権は、境界の調査・測量のための立入りに関わるので重要です。
これらの改正は、いずれも所有者不明土地の発生予防と解消を目的としています。相続土地国庫帰属制度(2023年4月27日)は、相続した不要な土地を一定の要件で国庫に帰属させる制度です。
所有者不明土地・建物の管理制度では、裁判所が管理命令により管理人を選任できます。
Q. 相続登記の義務化では、取得を知った日から3年以内に申請しなければならない。○か×か。
○。2024年4月1日施行で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
Q. 住所等変更登記の義務化では、変更から3年以内に申請しなければならない。○か×か。
×。2026年4月1日施行で、変更から2年以内です(過料は5万円以下)。相続登記の3年と混同しないようにしましょう。
Q. 相隣関係の見直し(隣地使用権・ライフライン・越境枝)は、2023年4月1日に施行された。○か×か。
○。令和3年の民法改正による新制度として、2023年4月1日に施行されました。
相続登記の義務化(2024年・3年以内・10万円)、住所等変更登記の義務化(2026年・2年以内・5万円)、相隣関係の見直し(2023年)が近年の柱です。
期間・過料・施行日を取り違えないように、表で整理して覚えましょう。各改正の詳細は下の関連記事へ。
参考にした資料
※施行日・内容は法務省の公表に基づきます。最新情報は法務省サイトでご確認ください。内容確認日:2026年6月27日。
まちがえやすいポイント
相続登記の義務化は「3年以内・過料10万円以下」、住所等変更登記の義務化は「2年以内・過料5万円以下」で、期間も過料も異なります。調査士が扱う表示に関する登記の申請義務(1か月以内)とも混同しないようにしましょう。施行日も、相続登記は2024年4月1日、住所変更は2026年4月1日と違います。