この記事の要点
遺言は、死後の財産処分などを定める単独行為で、満15歳以上であればできます(民法961条)。
普通方式には自筆証書・公正証書・秘密証書の3種があり、自筆証書と秘密証書は家庭裁判所の検認が必要です(公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認不要)。
遺言はいつでも撤回でき、後の遺言や抵触する行為があれば、前の遺言は撤回したものとみなされます。
遺言は相続の場面で出てくる単独行為です。土地家屋調査士試験でも、方式・検認・撤回といった基本が問われます。
遺言は、満15歳に達した者であればすることができます(民法961条)。行為能力の制限とは別で、未成年者でも15歳以上なら単独で有効な遺言ができます。
普通方式の遺言には、次の3つがあります。
| 方式 | 主な特徴 | 検認 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 全文・日付・氏名を自書し押印(財産目録はワープロ等も可・各頁に署名押印) | 必要(※法務局保管は不要) |
| 公正証書遺言 | 証人2人以上の立会いのもと公証人が作成 | 不要 |
| 秘密証書遺言 | 内容を秘密にして存在のみを公証人・証人に証明してもらう | 必要 |
自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自書して押印するのが原則です。ただし、添付する財産目録についてはワープロ等で作成してもよく、その各頁に署名押印すれば足ります。
遺言書の保管者などは、相続開始後、遅滞なく家庭裁判所に検認を請求しなければなりません(民法1004条)。検認は遺言の偽造・変造を防ぐための手続です。
公正証書遺言と、法務局に保管された自筆証書遺言は、検認が不要です。検認は遺言の有効・無効を判断する手続ではない点にも注意します。
遺言者は、いつでも遺言の方式に従って遺言の全部または一部を撤回できます(民法1022条)。前の遺言と後の遺言が抵触するときは、抵触する部分は後の遺言で撤回したものとみなされます(1023条)。
遺言の内容と異なる生前処分をした場合も、その抵触する部分は撤回したものとみなされます。
Q. 遺言は、満18歳に達しなければすることができない。○か×か。
×。満15歳に達した者は遺言をすることができます(民法961条)。
Q. 公正証書遺言は、家庭裁判所の検認を受けなければならない。○か×か。
×。公正証書遺言は検認が不要です。法務局に保管された自筆証書遺言も検認不要です。
Q. 前の遺言と後の遺言が抵触するときは、抵触する部分は後の遺言で撤回したものとみなされる。○か×か。
○。抵触する部分は後の遺言で撤回したものとみなされます(民法1023条)。
遺言は満15歳からでき、普通方式は自筆証書・公正証書・秘密証書の3種、公正証書と法務局保管の自筆証書は検認不要、遺言はいつでも撤回でき抵触行為で撤回擬制されます。
相続の承認・放棄や代襲相続とあわせて、相続分野として整理しておきましょう。
参考にした資料
※法令は改正されることがあります。最新の条文をご確認ください。内容確認日:2026年6月27日。
まちがえやすいポイント
公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認が不要です。「すべての遺言に検認が必要」ではありません。また、遺言は満15歳からでき、後の遺言・抵触行為で前の遺言は撤回したものとみなされる点もあわせて押さえましょう。