この記事の要点
地積更正登記は、登記の地積を実測に合わせて直す登記です。この記事は、更正を行うと決まった後の手続の流れと添付情報に絞って整理します。
申請できるのは表題部所有者または所有権の登記名義人で、法定の添付情報は地積測量図と代理権限証明情報(委任状)です。
地積更正登記に申請義務はなく、任意です(期間の定めもありません)。
登記の地積と実測がずれていて、その差が許容範囲を超えると、地積を正しい面積に直す地積更正登記を行います。
更正が必要かどうかの判断は地積測定の公差で、分筆登記との違いは別の記事で扱いました。ここでは、更正を行うと決まってからの手続に絞ります。
地積更正登記は、おおむね次の流れで進みます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 資料調査 | 登記記録・過去の地積測量図・公図などを集めて調べる |
| ② 現地調査・測量 | 境界標を確認し、土地を測量する |
| ③ 筆界の確認 | 隣接地の所有者との立会いで筆界を確認する |
| ④ 地積測量図の作成 | 座標と求積から地積測量図を作成する |
| ⑤ 申請 | 表題部所有者などが法務局へ申請する |
地積更正の手続でいちばん大切なのは、隣接する土地との筆界(境界)の確認です。
土地家屋調査士が現地を測量し、隣接地の所有者との立会いによって筆界を確認します。確認した内容は、筆界確認書などにまとめます。
隣接地の所有者が分からないときは、法務省が案内する方法(所有者が分からない場合の分筆・地積更正など)を検討します。
地積更正登記を申請できるのは、その土地の表題部所有者または所有権の登記名義人です。
実際の申請は、これらの人から委任を受けた土地家屋調査士が代理して行うのが一般的です。
法定の添付情報は、地積測量図と、代理して申請する場合の代理権限証明情報(委任状)です。
| 添付情報 | 区分 |
|---|---|
| 地積測量図 | 法定(必須) |
| 代理権限証明情報(委任状) | 法定(代理で申請する場合) |
| 筆界確認書・境界確定を証する書面 | 実務上(法定ではない) |
地積測量図は法定の添付情報ですが、筆界確認書は法律上の必須書類ではありません(実務上、筆界を確認した証として添付します)。地積測量図の中身は地積測量図の記載事項で扱っています。
地積更正登記に申請義務はありません。地積が誤っていても、必ず直さなければならないわけではありません。
ただし、分筆登記などの前提として地積更正が必要になることがあります(分筆と地積更正の関係)。
記述式では、地積更正の要否とあわせて、手続や添付情報が問われます。
要否の判断は地積測定の公差、地積測量図の作り方は地積測量図の記載事項で確認しておきましょう。
Q. 地積更正登記を申請できるのは、その土地の表題部所有者または所有権の登記名義人である。○か×か。
○。申請人は表題部所有者または所有権の登記名義人で、実務では委任を受けた土地家屋調査士が代理します。
Q. 地積更正登記では、地積測量図の添付は不要である。○か×か。
×。地積測量図は法定の添付情報で、必須です。
Q. 隣接地の所有者との筆界確認書は、地積更正登記の法律上の必須添付書類である。○か×か。
×。筆界確認書は実務上添付するもので、法律上の必須書類ではありません。法定の添付情報は地積測量図です。
地積更正登記は、資料調査・測量・隣接地との筆界確認を経て地積測量図を作成し、表題部所有者または所有権の登記名義人が申請します。
法定の添付情報は地積測量図と委任状で、筆界確認書は実務上のものです。要否の判断(公差)や分筆との違いは、それぞれの記事とあわせて押さえましょう。
参考にした資料
・地積更正登記の申請人(表題部所有者または所有権の登記名義人)、法定の添付情報(地積測量図・代理権限証明情報=委任状)、申請義務がないこと、手続の流れ(現地測量・隣接地所有者との立会いによる筆界確認・地積測量図の作成)は、土地家屋調査士事務所の実務解説(首都圏測量登記事務所・みどり事務所ほか)複数で一致を確認。地積測量図の添付は不動産登記令・規則の定めによる。隣接地所有者が不明の場合の手続は法務省の案内ページを参照
※法令・実務の取扱いは変わることがあります。最新の情報をご確認ください。内容確認日:2026年7月14日。
まちがえやすいポイント
地積更正登記の法定の添付情報は地積測量図で、隣接地との筆界確認書は法律上の必須書類ではありません(実務上は添付します)。また、地積更正には申請義務がなく任意です。手続の中心は、隣接地所有者との立会いによる筆界の確認だと押さえておきましょう。