この記事の要点
登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局・地方法務局とその支局・出張所(登記所)がつかさどります(不動産登記法6条1項)。
不動産が2以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務大臣または法務局・地方法務局の長が登記所を指定します(同条2項)。
指定がされるまでの間は、一の登記所に申請することができます(同条3項)。
申請先の登記所を間違えると、その申請は受け付けてもらえません。
原則は単純で、迷うのは建物が2つの登記所にまたがる場面です。
登記の事務は、その不動産の所在地を管轄する法務局・地方法務局・支局・出張所がつかさどります(法6条1項)。
この4つをまとめて「登記所」と呼びます。
不動産が2以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務大臣または法務局・地方法務局の長が、その不動産の登記の事務をつかさどる登記所を指定します(法6条2項)。
指定がされるまでの間は、その2以上の登記所のうち一の登記所に申請することができます(同条3項)。
すでに甲登記所で登記されている建物が、増築や附属建物の新築によって乙登記所の管轄区域にまたがることになった場合でも、その建物の管轄登記所は甲登記所です(準則5条)。
えい行移転や管轄区域の変更でまたがることになった場合も同じです(同条)。
附属建物の床面積が主である建物より大きくても、管轄は動きません。
市町村合併などで不動産の所在地が甲登記所の管轄から乙登記所の管轄に転属したときは、甲登記所の登記官が登記記録・地図等・附属書類を乙登記所に移送します(規則32条1項)。
移送した登記記録は、甲登記所で閉鎖されます(同条2項)。
記録が乙に移っているので、その後の申請先は乙です。
令和元年度は、管轄登記所が正面から問われました。
主と附属が別管轄の建物の分割、市町村合併による転属、敷地権の目的である土地、管轄をまたぐ建物の表題登記、附属建物の新築という5つの場面が並んでいます。
「すでに甲で登記されているか」「これから新しく登記するか」で分けて読むと、正誤が付けやすくなります。
Q. 不動産が2以上の登記所の管轄区域にまたがる場合、登記の事務をつかさどる登記所は、法務大臣または法務局・地方法務局の長が指定する。○か×か。
○。法6条2項のとおりです。指定がされるまでは一の登記所に申請できます(同条3項)。
Q. 甲登記所で登記されている建物について、乙登記所の管轄区域内に附属建物を新築してまたがることになった場合、附属建物の床面積が主である建物より大きいときは、管轄は乙登記所に移る。○か×か。
×。準則5条により、管轄登記所は甲登記所のままです。床面積の大小では動きません。
Q. 市町村合併により建物の所在地が甲登記所の管轄から乙登記所の管轄に転属したときは、その後の表示に関する登記の申請は、甲登記所にすることもできる。○か×か。
×。転属したときは登記記録が乙登記所に移送され、甲の登記記録は閉鎖されます(規則32条)。令和元年度でも、いずれの登記所にもできるとした記述が誤りとされました。
管轄登記所は不動産の所在地の登記所が原則で、2以上の管轄にまたがる場合は指定で決まり、指定までは一の登記所に申請できます。
すでに甲で登記された建物は、またがっても甲のままです(準則5条)。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 令和元 No.4 | 3 | 管轄登記所 |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。
参考にした資料
※法令・取扱いは変更されることがあります。最新の条文をご確認ください。内容確認日:2026年7月16日。
まちがえやすいポイント
管轄区域を異にする土地にまたがって新築された建物の表題登記を、「床面積の多い部分が存する土地を管轄する登記所」にしなければならない、ではありません。管轄は法6条2項の指定で決まります。床面積の多い部分で決まるのは家屋番号の方(準則79条)で、そちらと取り違えさせるのが令和元年度の出題でした。