この記事の要点
申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供するのが原則です(不動産登記令4条本文)。
例外は2つで、同一の登記所の管轄区域内にある2以上の不動産について、登記の目的・登記原因及びその日付が同一であるとき(同条ただし書)と、規則35条が定める場合です。
分筆と合筆、表題部の変更と更正など、調査士試験で問われる組合せは規則35条に並んでいます。
複数の登記をまとめて1件で申請できるかどうかは、択一で繰り返し問われます。
判断の順番は、まず令4条の原則、次にただし書、最後に規則35条です。
申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければなりません(令4条本文)。
不動産が違えば別の申請情報、登記の目的が違えばやはり別の申請情報、というのが出発点です。
ただし書は、次のすべてを満たすときに、一の申請情報で申請できるとしています。
令和元年度では、隣接する甲土地と乙土地の地目が同一の日に雑種地から宅地となった場合、2つの地目の変更の登記を一の申請情報で申請できるとされました(午後 第11問)。
令4条ただし書の「法務省令で定めるとき」を受けているのが規則35条です。
調査士試験で効いてくるのは、次の号です。
| 号 | 一の申請情報で申請できる場合 |
|---|---|
| 1号 | 土地の一部を分筆して他の土地に合筆する場合の、分筆の登記と合筆の登記 |
| 2〜3号 | 附属建物を分割して他の建物の附属建物等にする場合の、建物の分割の登記と建物の合併の登記 |
| 4〜5号 | 建物を区分してその一部を他の建物等に合併する場合の、建物の区分の登記と建物の合併の登記 |
| 6号 | 同一の不動産について申請する2以上の登記が、いずれも表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記であるとき |
| 7号 | 同一の不動産についての表題部の変更・更正の登記と、分筆・合筆・建物の分割・区分・合併の登記であるとき |
| 8号 | 同一の登記所の管轄区域内の不動産について、いずれも同一の登記名義人の氏名・名称・住所の変更又は更正の登記であるとき |
6号があるので、同じ土地の地目の変更の登記と地積の更正の登記は、一の申請情報で申請できます。
区分建物の表題登記には、一棟の建物に属する他の区分建物と併せて申請しなければならないという規定があります(法48条)。
こちらは法48条の申請義務で、令4条・規則35条の一の申請情報による申請とは根拠が別です。
令和元年度は、一の申請情報により申請することができる登記が正面から問われました。
表題部所有者の氏名の変更の登記と合筆、地目の変更と地積の更正、滅失と表題登記、隣接土地の地目の変更、表題部所有者と所有権の登記名義人がそれぞれ異なる土地の分筆が並べられています。
「できる/できない」を暗記するより、令4条ただし書の3つの条件と規則35条の号に当てはめて確かめるほうが確実です。
Q. 申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供するのが原則である。○か×か。
○。不動産登記令4条本文の原則です。ただし書と規則35条が例外を定めています。
Q. 同一の土地について、地目の変更の登記と地積の更正の登記は、一の申請情報によって申請することができない。○か×か。
×。規則35条6号にあたるので、一の申請情報で申請できます。同一の不動産についての表題部の登記事項に関する変更の登記と更正の登記だからです。
Q. 管轄の異なる2つの土地について、同一の日に同一の登記原因で地目が変わった場合、一の申請情報によって申請することができる。○か×か。
×。令4条ただし書は「同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産」を条件にしています。管轄が違えば当たりません。
申請情報は一の不動産ごとに作成するのが原則で、例外は令4条ただし書(同一管轄・目的・原因日付が同一)と、規則35条が定める場合です。
分筆と合筆、表題部の変更と更正の組合せは規則35条に書かれています。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 令和元 No.11 | 5 | 一の申請情報による申請 |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。
参考にした資料
※法令は改正されることがあります。最新の条文をご確認ください。内容確認日:2026年7月16日。
まちがえやすいポイント
甲建物を取り壊して敷地上に乙建物を新築した場合、甲建物の滅失の登記と乙建物の表題登記は、一の申請情報では申請できません。別々の建物であるうえ、登記の目的も滅失と表題登記で違います。「同じ土地の上の出来事だから1件でまとめられる」とは考えません(令和元年 午後 第11問)。