この記事の要点
建物の種類は、建物の主な用途によって定める登記事項です(不動産登記規則113条)。
規則には、居宅・店舗・寄宿舎・共同住宅・事務所・旅館・料理店・工場・倉庫・車庫・発電所・変電所が挙げられており、これらに該当しない建物は、これに準じて定めます。
主な用途が2つ以上あるときは、その2つ以上の用途で種類を定めます(例:「居宅・店舗」)。
建物の表題登記では、所在・家屋番号・構造・床面積とともに「種類」を登記します。種類は建物として認定できるかとは別の論点で、認定された建物が「何に使う建物か」を表すものです。決め方のルールを押さえましょう。
不動産登記規則113条1項は、建物の種類は、建物の主な用途により定めるとし、次のものを挙げています。
| 規則113条に挙げられている種類 |
|---|
| 居宅/店舗/寄宿舎/共同住宅/事務所/旅館/料理店/工場/倉庫/車庫/発電所/変電所 |
そして、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるとされています。つまり、列挙されていない用途の建物でも種類が決められないわけではなく、用途に応じて適切な種類を付けます(準則ではさらに細かい例が示されています)。
1つの建物が複数の用途を持つこともあります。たとえば1階が店舗で2階以上が住居の併用住宅です。この場合、規則113条2項により、主な用途が2以上あるときは、その2以上の用途によって種類を定めます。
たとえば店舗兼住宅であれば「居宅・店舗」のように、両方の用途を並べて種類とします。どちらか一方だけにまとめてしまわないのがポイントです。
区分建物(マンションの専有部分)では、それぞれの専有部分ごとに、その部分の主な用途で種類を定めます。同じ一棟の建物でも、住居として使う専有部分は「居宅」、店舗として使う専有部分は「店舗」と、部分ごとに種類が異なることがあります。一棟の建物全体の用途と、個々の専有部分の用途を分けて考えるのがポイントです。
令和3年度(午後の部)では、建物の種類の定め方について、主な用途によって定めること、規則に列挙された種類との関係、区分建物や一棟の建物での用途の考え方などが問われました。「種類は主な用途で定める」「該当しないものは準じて定める」「用途が2以上なら2以上の用途で定める」という規則113条の枠組みを押さえておくと対応できます。
Q. 建物の種類は、建物の主な用途により定める。○か×か。
○。不動産登記規則113条1項により、建物の種類は主な用途により、居宅・店舗・共同住宅などに区分して定めます。
Q. 規則に列挙されていない用途の建物には、種類を定めることができない。○か×か。
×。列挙された区分に該当しない建物についても、これに準じて種類を定めます。
Q. 1階が店舗、2階以上が住居の併用住宅は、必ずどちらか一方の用途だけで種類を定める。○か×か。
×。主な用途が2以上あるときは、2以上の用途で種類を定めます(例:「居宅・店舗」)。一方だけにまとめるわけではありません。
建物の種類は、建物の主な用途で定め、規則113条に居宅・店舗・共同住宅などが挙げられています。該当しないものはこれに準じて定め、主な用途が2以上あるときは2以上の用途で定めます。
区分建物では専有部分ごとに用途で種類を考えます。「構造ではなく用途で決める」「複数用途は両方で表す」を外さないようにしましょう。
この論点が問われた過去問の解説です(新しい年度から順)。
参考にした資料
・不動産登記規則113条(建物の種類)/1項=主な用途により居宅・店舗・寄宿舎・共同住宅・事務所・旅館・料理店・工場・倉庫・車庫・発電所・変電所に区分し、該当しないものはこれに準じて定める、2項=主な用途が2以上のときは2以上の用途で定める、を条文で確認
・令和3年度 午後の部(建物の種類の定め方)/法務省 公式問題
※制度・取扱いは変更されることがあります。最新の情報は法務局・法務省でご確認ください。内容確認日:2026年6月13日。
まちがえやすいポイント
建物の種類は「主な用途」で決めるのであって、構造や床面積で決めるのではありません。また、店舗兼住宅のように主な用途が2つ以上あるときは、片方に決めつけず「居宅・店舗」のように両方の用途で定めます。規則に挙がっていない用途でも、これに準じて種類を定める点も押さえましょう。