この記事の要点
土地家屋調査士になるには、資格(4条)があり、かつ欠格事由(5条)に当たらないうえで、登録(8条)を受けます。
登録は、日本土地家屋調査士会連合会に備える名簿に受けます。申請は事務所を置く地の調査士会を経由します(9条)。
成年被後見人・被保佐人は、令和元年の改正で欠格事由から削除されました。未成年者は現在も欠格事由です。
土地家屋調査士として業務を行うには、試験に合格するなどして資格を得たうえで、名簿に登録される必要があります。ここでは、資格・欠格事由・登録・登録の拒否を、条文にそって整理します。
土地家屋調査士となる資格を有するのは、次のいずれかに当たる者です(4条)。
| 号 | 資格を有する者 |
|---|---|
| 1号 | 土地家屋調査士試験に合格した者 |
| 2号 | 法務局・地方法務局で不動産の表示に関する登記の事務に通算10年以上従事し、法務大臣が必要な知識・技能を有すると認めた者 |
多くの受験者が目指すのは1号(試験合格)です。2号は、登記官などの実務経験による法務大臣の認定ルートです。
資格があっても、次の欠格事由のいずれかに当たる者は、土地家屋調査士となる資格を有しません(5条)。「その処分(刑の執行終了等)から3年を経過しない者」という3年の区切りが多く登場します。
| 号 | 欠格事由 |
|---|---|
| 1号 | 禁錮以上の刑に処せられ、執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者 |
| 2号 | 未成年者 |
| 3号 | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 |
| 4号 | 公務員で懲戒免職の処分を受け、その日から3年を経過しない者 |
| 5号 | 調査士の業務の禁止の処分(42条の懲戒)を受け、その日から3年を経過しない者 |
| 6〜8号 | 測量士・建築士・司法書士などで、登録の抹消や業務の禁止の処分を受け、その日から3年を経過しない者 |
かつては「成年被後見人又は被保佐人」も欠格事由でしたが、令和元年の改正(成年被後見人等の権利制限を見直す一連の法改正)で削除されました。心身の状態は、後述する登録の拒否(10条)で個別に判断されます。
資格があり欠格事由に当たらない者は、業務を行うために登録を受けます。登録先は「日本土地家屋調査士会連合会」に備える土地家屋調査士名簿です(8条)。法務局や個々の調査士会に登録するのではありません。
登録の申請は、事務所を設けようとする地を管轄する法務局・地方法務局の管轄区域内にある調査士会を経由して、連合会に登録申請書を提出します(9条)。登録と入会の関係(登録を受けると調査士会の会員になる仕組み)は、調査士会と連合会の記事で扱っています。
連合会は、申請者が資格を有しないとき、または一定の事由に当たると認めたときは、登録を拒否しなければなりません(10条)。このうち、心身の故障などの事由による拒否は、連合会に置かれる「登録審査会」(62条)の議決に基づいて行います。
Q. 土地家屋調査士の登録は、事務所を置く地を管轄する法務局に備える名簿に受ける。○か×か。
×。登録は日本土地家屋調査士会連合会に備える名簿に受けます(8条)。申請は調査士会を経由しますが、登録先は連合会です。
Q. 成年被後見人・被保佐人は、現在も土地家屋調査士の欠格事由である。○か×か。
×。令和元年の改正で欠格事由から削除されました。心身の状態は、登録の拒否(10条・登録審査会の議決)で個別に判断されます。なお未成年者は現在も欠格事由です。
Q. 禁錮以上の刑に処せられた者は、執行を終えてから3年を経過しないと調査士となる資格を有しない。○か×か。
○。5条1号の欠格事由です。公務員の懲戒免職(4号)や業務禁止処分(5号)なども「その日から3年」を経過しない者が欠格とされます。
資格(4条=試験合格または法務大臣認定)があり、欠格事由(5条)に当たらない者が、連合会の名簿に登録(8条)を受けて土地家屋調査士になります。申請は調査士会を経由し(9条)、登録の拒否は10条・登録審査会(62条)によります。
成年被後見人・被保佐人が令和元年改正で欠格事由から外れた点は、法改正の論点として押さえておきましょう。関連する法改正まとめもあわせてどうぞ。
参考にした資料
・土地家屋調査士法 第4条(資格)・第5条(欠格事由)・第8条(登録)・第9条(登録の申請)・第10条(登録の拒否)・第62条(登録審査会)を、法令リード(土地家屋調査士法)および法務省・日本法令外国語訳データベースの現行条文で確認(二次資料2本一致)。
・成年被後見人・被保佐人が欠格事由から削除された点は、令和元年の関係法律整備法(成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等)による改正を反映しています。
※法令は改正されることがあります。最新の条文でご確認ください。内容確認日:2026年7月7日。
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まちがえやすいポイント
登録を受けるのは「連合会」です(申請は調査士会を経由しますが、登録先は連合会)。また、成年被後見人・被保佐人は、令和元年改正で欠格事由から外れました。古いテキストには残っていることがあるので注意します。未成年者は現在も欠格事由です。登録拒否の議決を行うのは「資格審査会」ではなく登録審査会(62条)である点も押さえておきましょう。