この記事の要点
土地家屋調査士の業務は、土地家屋調査士法3条に定められています。中心は表示に関する登記に必要な土地・家屋の調査と測量、表示登記の申請手続や審査請求の代理、それらの書類の作成です。
さらに、筆界特定の手続の代理も業務に含まれます。これらは、原則として調査士でなければ業として行えない独占業務です。
土地の筆界に関する民間紛争解決手続(ADR)の代理は、法務大臣の認定を受けた「認定土地家屋調査士」に限られます。
土地家屋調査士が何をする専門家かは、調査士法3条が定めています。司法書士との違い(表示に関する登記か、権利に関する登記か)とあわせて、業務の範囲を正確に押さえましょう。
| 号 | 業務 |
|---|---|
| 1号 | 不動産の表示に関する登記について必要な土地・家屋の調査・測量 |
| 2号 | 表示に関する登記の申請手続・審査請求の手続の代理 |
| 3号 | 2号の手続について法務局等に提出する書類・電磁的記録の作成 |
| 4号 | 筆界特定の手続の代理 |
| 5号 | 筆界特定の手続について提出する書類・電磁的記録の作成 |
| 6号 | 1〜5号の事務についての相談 |
| 7号・8号 | 土地の筆界に関する民間紛争解決手続(ADR)の代理・相談(認定調査士に限る) |
中心は、表示に関する登記のための調査・測量と、申請手続の代理です。建物を新築したときの建物表題登記、土地を分けるときの分筆登記などを、依頼を受けて代理します。これらは表示に関する登記の専門家としての独占業務です。
7号・8号の民間紛争解決手続(ADR)の代理は、すべての調査士ができるわけではありません。3条2項により、法務大臣の認定を受けた「認定土地家屋調査士」に限られ、しかも弁護士との共同受任など一定の要件のもとで行います。土地の筆界をめぐる紛争を、裁判によらず話し合いで解決する手続を代理するものです。
調査士の業務は、3条の業務の範囲(調査・測量・申請代理・筆界特定の代理)と、ADR代理が認定調査士に限られることが問われます。司法書士の業務(権利に関する登記)との切り分けとあわせて押さえると、確実に得点できます。
Q. 表示に関する登記に必要な土地・家屋の調査及び測量は、土地家屋調査士の業務である。○か×か。
○。調査士法3条1項1号の業務です。表示登記の申請手続の代理(2号)も含まれます。
Q. 土地の筆界に関する民間紛争解決手続(ADR)の代理は、すべての土地家屋調査士が行うことができる。○か×か。
×。ADRの代理ができるのは、法務大臣の認定を受けた認定土地家屋調査士に限られます(3条2項)。
Q. 所有権の移転の登記(権利に関する登記)の申請代理は、土地家屋調査士の業務である。○か×か。
×。権利に関する登記の代理は司法書士の業務です。調査士は表示に関する登記を扱います。
土地家屋調査士の業務は、表示に関する登記の調査・測量・申請代理、筆界特定の手続の代理などで(調査士法3条)、これらは独占業務です。ADRの代理は認定土地家屋調査士に限られます。
「表示登記の調査・測量・代理+筆界特定」が中核、「ADRは認定調査士のみ」を押さえましょう。
この論点が問われた過去問の解説です(新しい年度から順)。
参考にした資料
・土地家屋調査士法3条(業務)1項=表示に関する登記に必要な調査・測量(1号)、表示登記の申請手続・審査請求の代理(2号)、書類等の作成(3号)、筆界特定の手続の代理(4号)・書類等の作成(5号)、これらの相談(6号)、筆界に関する民間紛争解決手続(ADR)の代理・相談(7号・8号)、2項=7号8号は法務大臣の認定を受けた調査士に限る、を条文で確認
※法令は改正されることがあります。最新の条文をご確認ください。内容確認日:2026年6月13日。
まちがえやすいポイント
調査士の中核業務は表示に関する登記の調査・測量・申請代理と筆界特定の代理で、権利に関する登記(所有権移転など)の代理は司法書士の業務です。また、筆界に関するADRの代理ができるのは、法務大臣の認定を受けた認定土地家屋調査士に限られます。すべての調査士ができるわけではない点に注意しましょう。