独学で学ぶ土地家屋調査士

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筆界特定の手続|申請権者・費用の負担・筆界調査委員の調査から筆界特定書まで

この記事の要点

筆界特定は、対象土地の所有権登記名義人等(相続人を含む)が、管轄する法務局・地方法務局の筆界特定登記官に申請します(不動産登記法131条)。

申請手数料(土地の価額による)と、必要な場合の測量費用は、いずれも申請人が負担します(146条)。

筆界調査委員の実地調査・測量と意見、関係人からの意見聴取を経て、筆界特定登記官が筆界特定書を作成します(143条)。

この記事は、筆界特定の「手続の流れ」に絞って整理します。

制度の意義や境界確定訴訟との違いは別記事で扱っています。ここでは、申請から筆界特定書までの進み方を順番に見ていきます。

筆界特定の手続の流れ ① 申請(所有権登記名義人等 → 筆界特定登記官) ② 公告・関係人への通知 ③ 筆界調査委員の実地調査・測量・意見 ④ 意見聴取等の期日(関係人の意見・資料提出) ⑤ 筆界特定登記官が筆界を特定 ・筆界特定書を作成
申請から、公告・通知、筆界調査委員の調査、意見聴取等の期日を経て、筆界特定登記官が筆界を特定し筆界特定書を作成する。※イメージ図です。

誰が・どこに申請するか(申請権者と申請先)

申請できるのは、対象土地の所有権登記名義人等(表題部所有者を含む)と、その相続人その他の一般承継人です(不動産登記法131条)。

自分の土地と、それに隣接する他の土地との筆界について申請します。隣地所有者の同意は必要ありません。

申請先は、対象土地の所在地を管轄する法務局・地方法務局の筆界特定登記官です。

費用は誰が負担するか(手数料・測量費用)

申請手数料は対象土地の価額に応じて決まり、申請人が負担します。測量が必要な場合の測量費用も、申請人の負担です(不動産登記法146条)。

測量費用などの手続費用は、あらかじめ納める(予納する)取扱いです。

筆界調査委員の調査と意見聴取等の期日

筆界調査委員は、土地家屋調査士や弁護士などの専門家から指定され、法務局の職員とともに実地調査・測量を行います。

そのうえで、筆界に関する意見を筆界特定登記官に提出します。

手続の途中では、意見聴取等の期日が設けられ、関係人が意見を述べたり資料を提出したりする機会が与えられます。

筆界特定書と、その効力

筆界特定登記官は、筆界調査委員の意見を踏まえて筆界を特定し、その内容・理由・図面をまとめた筆界特定書を作成します(不動産登記法143条)。筆界特定がされると、対象土地の登記記録にその旨が記録されます。

ただし、筆界特定に筆界を確定する力はありません。境界(筆界)確定訴訟の判決が筆界特定と異なる内容で確定したときは、その抵触する範囲で筆界特定は効力を失います(147条)。

過去問での問われ方

筆界特定は手続の細部が択一で問われます。

令和5年度(午後第18問)では、筆界調査委員の調査・意見や測量費用の負担(申請人の負担)といった手続が問われました。令和6年度(午後第19問)では、申請できる場合・できない場合が問われ、すでに筆界確定訴訟の判決が確定している筆界は申請が却下される点(132条)が論点になりました。

まちがえやすいポイント

申請を却下されるのは、その筆界について「判決が確定している」ときで、訴訟が係属している(進行中の)だけでは却下されません。係属中でも筆界特定の手続は並行して進められます。また、手数料・測量費用は申請人の負担である点、筆界特定書を作るのは筆界特定登記官である点もあわせて押さえましょう。

理解度チェック

Q. 筆界特定の申請ができるのは、対象土地の所有権登記名義人等やその相続人である。○か×か。

○。対象土地の所有権登記名義人等(表題部所有者を含む)と、その相続人その他の一般承継人が申請できます(131条)。

Q. 筆界特定の手続で必要な測量費用は、国(法務局)が負担する。○か×か。

×。申請手数料も測量費用も、申請人が負担します(146条)。

Q. その筆界について境界確定訴訟が係属している間は、筆界特定の申請は必ず却下される。○か×か。

×。却下されるのは判決が確定しているときです(132条)。訴訟が係属しているだけでは却下されず、手続は並行して進められます。

まとめ

筆界特定は、所有権登記名義人等が管轄法務局の筆界特定登記官に申請し、手数料・測量費用は申請人が負担、筆界調査委員の調査と意見聴取を経て筆界特定書が作成されます

「申請権者・費用は申請人負担・却下は判決確定のとき」を押さえておきましょう。

過去問でどう問われたか(年度別)

この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。

年度・No.正答問われた論点
令和7 No.163筆界特定
令和6 No.195筆界特定(申請できる場合・できない場合)
令和5 No.185筆界特定の手続(調査・費用負担)
令和4 No.195筆界特定
令和2 No.184筆界特定

※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。

参考にした資料

・不動産登記法131条(申請権者)・132条(却下事由)・143条(筆界特定書)・146条(手続費用の負担)・147条(筆界確定訴訟との関係)/法務省「筆界特定制度」・e-Gov法令検索で確認

・令和7年度 午後第16問/令和6年度 午後第19問/令和5年度 午後第18問/令和4年度 午後第19問/令和2年度 午後第18問/法務省 公式問題・正解

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

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土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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