独学で学ぶ土地家屋調査士

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変更の登記と更正の登記の違い|後から変わったか・最初から誤っていたか(不動産登記法2条15号・16号)

この記事の要点

変更の登記は、登記事項に変更があった場合に、その登記事項を変更する登記です(不動産登記法2条15号)。

更正の登記は、登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に、その登記事項を訂正する登記です(同条16号)。

分かれ目は、登記した時点で正しかったかどうかです。後から変わったのが変更、最初から誤っていたのが更正になります。

登記記録の地積と実測が合わないとき、地積の変更の登記なのか、地積の更正の登記なのかで迷います。

この2つは、直す対象が同じでも、原因がまったく違う登記です。

変更の登記と更正の登記の違い

変更の登記は登記の後に登記事項が変わったときの登記、更正の登記は登記事項に錯誤又は遺漏があったときの登記です。

条文はどちらも不動産登記法2条の定義に置かれています。

変更の登記更正の登記
条文法2条15号法2条16号
原因登記事項に変更があった登記事項に錯誤又は遺漏があった
登記した時点正しかったすでに誤っていた
条文の動詞登記事項を変更する登記事項を訂正する
造成で地目が変わった/増築で床面積が増えた当初の測量が誤っていた/登記事項が書き漏れていた

「訂正する」と書かれているのは更正の登記だけです。

分かれ目は「登記した時点で正しかったか」

判断は、いま実態と登記が食い違っている理由をさかのぼって決めます。

登記した時点では登記記録が実態どおりで、その後に実態のほうが動いたのなら、変更の登記です。

登記した時点ですでに登記記録が実態と食い違っていたのなら、更正の登記になります。

分かれ目は「登記した時点で正しかったか」 登記した時点 登記は正しかった その後に実態が動いた 登記が誤っていた 錯誤又は遺漏があった 変更の登記 更正の登記
登記した時点で正しければ変更の登記、その時点ですでに誤っていれば更正の登記になる。※模式図です。

土地の場合(37条と38条)

土地では、地目又は地積について変更があったときに、その変更があった日から1月以内に変更の登記を申請します(法37条)。

一方、土地の表題部の更正の登記は法38条に置かれ、こちらには申請期間の定めがありません。

申請義務がある登記とない登記の区分は、下の記事にまとめてあります。

表示に関する登記の申請義務(1ヶ月以内・過料)

建物の場合(51条と53条)

建物では、表題部の登記事項について変更があったときに、その変更があった日から1月以内に変更の登記を申請します(法51条1項)。

建物の表題部の更正の登記は法53条で、土地の38条と同じ組み立てです。

土地も建物も、変更のほうに1月以内の申請期間が書かれ、更正のほうには書かれていません。

申請できる人が限られる

更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は申請することができません(法38条・53条)。

条文が「以外の者は、申請することができない」という書き方で、申請人を限定しています。

まちがえやすいポイント

実測が登記の地積と合わなくても、造成などで後から地積が変わったのなら、更正ではなく地積の変更の登記です。更正の登記になるのは、登記した時点ですでに地積が誤っていた場合です。同じ「地積を直す」でも、原因のさかのぼり方で選ぶ登記が変わります。

過去問での問われ方

令和4年度は土地の表題部の変更又は更正の登記、令和3年度は建物の表題部の変更又は更正の登記が、それぞれ正面から問われました。

令和6年度と令和2年度では、地積に関する更正の登記が出ています。

土地と建物のどちらでも問われるので、37条と51条、38条と53条を対にして覚えると崩れにくくなります。

理解度チェック

Q. 更正の登記は、登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に、その登記事項を訂正する登記である。○か×か。

○。不動産登記法2条16号の定義そのものです。「訂正する」と書かれているのが更正の登記です。

Q. 宅地造成が完了して地目が変わった場合は、地目の更正の登記を申請する。○か×か。

×。登記した時点では正しく、その後に実態が変わったので、地目の変更の登記です(法37条)。

Q. 土地の表題部の更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者も申請することができる。○か×か。

×。法38条は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は申請することができないと定めています。

まとめ

変更の登記は登記の後に登記事項が変わったとき、更正の登記は登記事項に錯誤又は遺漏があったときの登記で、分かれ目は登記した時点で正しかったかどうかです。

土地は37条と38条、建物は51条と53条が対になります。

過去問でどう問われたか(年度別)

この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。

年度・No.正答問われた論点
令和6 No.72地積に関する更正の登記
令和4 No.75土地の表題部の変更又は更正の登記
令和3 No.153建物の表題部の変更又は更正の登記
令和2 No.84地積に関する更正の登記

※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。

参考にした資料

  • 不動産登記法2条15号(変更の登記=登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記)・16号(更正の登記=登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記)を条文で確認
  • 不動産登記法37条(地目又は地積の変更の登記の申請/変更があった日から1月以内)・38条(土地の表題部の更正の登記の申請/表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は申請できない)を条文で確認
  • 不動産登記法51条1項(建物の表題部の変更の登記/変更があった日から1月以内)・53条1項(建物の表題部の更正の登記)を条文で確認
  • 令和6年度 午後 第7問・令和4年度 午後 第7問・令和3年度 午後 第15問・令和2年度 午後 第8問/法務省 公式問題・正解
独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

この記事を書いた人

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土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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