この記事の要点
申請情報の内容は不動産登記令3条が定めています。土地なら所在・地番・地目・地積(7号)、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積など(8号)です。
不動産番号を申請情報の内容とすれば、この7号・8号は省略できます(令6条1項)。
ただし表題登記を申請する場合は省略できません(規則34条4項)。
申請情報に何を書くかは、法18条を受けた令3条にすべて並んでいます。
択一で問われるのは、その中で省略できるものと省略できないものの線引きです。
申請情報の内容は、令3条が1号から13号まで列挙しています。
どの登記でも共通するのは、申請人の氏名または名称・住所(1号)、申請人が法人であるときはその代表者の氏名(2号)、代理人によるときは代理人の氏名・住所(3号)、登記の目的(5号)などです。
表題登記や権利の保存・設定・移転の登記で、表題部所有者または登記名義人となる者が2人以上であるときは、その者ごとの持分も申請情報の内容になります(9号)。
不動産の表示は、土地と建物で号が分かれます。
| 号 | 申請情報の内容 |
|---|---|
| 7号(土地) | イ 所在する市・区・郡・町・村・字/ロ 地番/ハ 地目/ニ 地積 |
| 8号(建物) | イ 所在(区分建物は一棟の建物の所在)/ロ 家屋番号/ハ 種類・構造・床面積/ニ 建物の名称があるときはその名称/ホ 附属建物/ヘ・ト 一棟の建物の構造・床面積・名称 |
7号ロの地番と8号ロの家屋番号には、表題登記を申請する場合を除くというかっこ書きが付いています。
地番も家屋番号も登記所が付すものなので、これから表題登記をする段階ではまだ決まっていません。
不動産を識別するために必要な事項(不動産識別事項)を申請情報の内容としたときは、令3条7号・8号に掲げる事項を申請情報の内容とすることを要しません(令6条1項1号・2号)。
この不動産識別事項が不動産番号です(規則34条2項)。
令6条1項1号・2号にかかわらず、不動産の表題登記を申請する場合には、令3条7号または8号に掲げる事項を申請情報の内容としなければなりません(規則34条4項)。
表題登記はこれから登記記録を起こす手続なので、識別する番号がまだありません。
令3条は1件の申請情報に何を書くかを決める条文です。
これに対して令4条は、いくつの申請情報に分けるかを決める条文になります。
一の申請情報による申請(原則は一の不動産ごと・令4条ただし書と規則35条)
平成29年度は、申請情報の内容が正面から問われました。
不動産番号による省略、法人の代表者の氏名、表題部所有者の氏名の更正、共有持分、登録免許税の免除の根拠という5つの角度が並んでいます。
法人が申請人であるときの代表者の氏名は令3条2号が求めており、会社法人等番号を添付情報として提供したから要らなくなる、とは書かれていません。
Q. 分筆の登記を申請する場合において、分筆前の土地の不動産番号を申請情報の内容としたときは、その土地の所在・地番・地目・地積を申請情報の内容とすることを要しない。○か×か。
○。令6条1項1号により、令3条7号に掲げる事項は省略できます。
Q. 土地の表題登記を申請する場合、不動産番号を申請情報の内容とすれば、土地の所在・地目・地積を省略できる。○か×か。
×。規則34条4項により、表題登記を申請する場合は令3条7号に掲げる事項を申請情報の内容としなければなりません。
Q. 土地の表題登記で、所有者A・Bの持分が相等しいときは、持分を申請情報の内容とすることを要しない。○か×か。
×。令3条9号は、表題部所有者となる者が2人以上であるときは、その者ごとの持分を申請情報の内容とすると定めています。等しくても書きます。
申請情報の内容は令3条で決まり、不動産番号を書けば土地・建物の表示(7号・8号)は省略できますが、表題登記では省略できません。
表題部所有者が2人以上なら、持分は相等しくても書きます。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 平成29 No.6 | 3 | 申請情報 |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。
参考にした資料
※法令は改正されることがあります。最新の条文をご確認ください。内容確認日:2026年7月16日。
まちがえやすいポイント
表題部所有者となる者が2人以上のときは、持分が相等しい場合であっても持分を申請情報の内容としなければなりません。令3条9号は「二人以上であるとき」としか書いておらず、持分が等しいかどうかで区別していません。平成29年度では、持分が相等しいときは持分を要しないとした記述が誤りとされました。