平成29年度(午後の部)第2問は、民法の不動産の物権変動に関する教授と学生の対話問題です。他人物売買と所有権移転時期、取得時効と登記、解除後の第三者、未登記での無権利者への主張、登記申請受任者への対抗が問われました。この問題は「誤っているもの」の組合せを選びます。
次の対話は、不動産の物権変動に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
教授:A所有の土地をBがCに売却し、その後BがAから当該土地を買い受けた場合において、いずれの売買契約にも所有権の移転時期や方法に関する特約がないときは、当該土地の所有権は、いつの時点でCに移転しますか。
学生:ア BがAから当該土地を買い受け、かつ、AからBへの所有権の移転の登記がされた時点で、Cに当該土地の所有権が移転することになります。
教授:Cが占有しているA所有の土地をAがBに売却し、AからBへの所有権の移転の登記がされた後、Cにつき当該土地の取得時効が完成して、Cが時効を援用した場合、Cは、Bに対し、登記なくして当該土地の所有権を主張することができますか。
学生:イ はい。Cは、Bに対し、当該土地の所有権を主張することができます。
教授:A所有の土地をAがBに売却し、AからBへの所有権の移転の登記がされた後、Aが、Bの債務不履行により、当該売買契約を解除しました。しかし、その解除後、BがCに当該土地を売却し、BからCへの所有権の移転の登記がされた場合、Aは、Cに対し、登記なくして当該土地の所有権を主張することができますか。
学生:ウ はい。Aは、Cに対し、当該土地の所有権を主張することができます。
教授:A所有の土地をAがBに売却したが、AからBへの所有権の移転の登記がされる前に、Cが権原なく当該土地の占有を開始した場合、Bは、Cに対し、登記なくして当該土地の所有権を主張することができますか。
学生:エ はい。Bは、Cに対し、当該土地の所有権を主張することができます。
教授:A所有の土地をAがBに売却した後AからBへの所有権の移転の登記がされる前に、Bからその登記の申請を受任していたCが、Aから当該土地を買い受け、AからCへの所有権の移転の登記がされた場合、Bは、Cに対し、登記なくして当該土地の所有権を主張することができますか。
学生:オ はい。Bは、Cに対し、当該土地の所有権を主張することができます。
出典:法務省ウェブサイト「平成29年度(2017年)土地家屋調査士試験(正解・基準点等)」(午後の部 第2問)/正解は法務省公表の正解による
契約の解除後に現れた第三者との関係は対抗問題となり、登記がなければ所有権を対抗できません。取得時効完成後の第三者や、権原なく占有する無権利者への主張とあわせて、対抗要件(民法177条)の要否を整理しましょう。物権変動と対抗の基本は下の関連記事へ。
参考にした資料
※取扱いは変更されることがあります。最新の法令をご確認ください。内容確認日:2026年6月13日。正解は法務省公表の正解(午後第2問=2)によります。
正解:2(誤っているのはア・ウ)
不動産の物権変動に関する、教授と学生の対話問題です。「誤っているもの」を選びます。