独学で学ぶ土地家屋調査士

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面積指定による土地の分割|指定した地積になる分割点の求め方(土地家屋調査士の記述式)

この記事の要点

面積指定による分割とは、売買や遺産分割などで指定された地積になるように、分割点の座標を求める計算です。

大原則は土地を三角形に追い込み、三角形の面積=底辺×高さ÷2の関係を使って、分割点を逆算することです。

分割線を頂点から底辺へ引くと2つの三角形の高さが共通になるので、面積の比=底辺の比で分割点が出せます。この「底辺の比」が使えるのは、分割線が頂点を通るときだけです。

境界点の座標を求めるところまでの基礎計算(方向角・距離・緯距・経距)は測量士補の範囲と共通です。三角関数などの基礎は姉妹サイト「初心者が学ぶ測量士補」にゆずり、ここでは座標が分かっている土地を、指定された地積で分割する計算を扱います。まず座標法による求積ができることが前提です。

大原則は「三角形に追い込む」

どんな形の土地でも、三角形に分けて考えられます。面積指定の分割でも、まずは指定面積を考える部分を、1つの三角形の問題に追い込むのが基本です。

三角形の面積は、次の関係で決まります。

三角形の面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2

分割線を三角形の頂点から底辺上の点へ引くと、できる2つの三角形は、頂点から底辺までの高さが共通になります。高さが同じなら、面積の大小は底辺の長さだけで決まります。つまり面積の比 = 底辺の比です。

B C A P △ABP(指定面積) △APC(残り)
模式図:頂点Aから底辺BC上の点Pへ分割線を引くと、△ABPと△APCは高さ(Aから底辺BCまでの距離)が共通。だから面積比=底辺比になる。座標値は下の計算例のとおり。

分割点の求め方(計算例)

次の三角形の土地を例にします(数値は説明のための例です。単位はメートル、座標はX・Y)。

XY
A50.0010.00
B10.0010.00
C10.0070.00

① 三角形全体の地積を確認する

底辺をBCとすると、BとCはXが同じ(X=10)で、Yが10から70なので、底辺BC = 70 − 10 = 60.00mです。頂点AからBCまでの高さは、AのXとBCのXの差で 50 − 10 = 40.00m。三角形の地積は次のとおりです。

地積 = 60.00 × 40.00 ÷ 2 = 1200.00 ㎡

座標法で求めても同じ1200.00㎡になります。)

② 指定面積から底辺の長さ(分割点の位置)を逆算する

いま、頂点Aから底辺BC上の点Pへ分割線を引き、B側の三角形△ABPを、指定地積 800.00㎡ にしたいとします。高さは共通なので、面積の比=底辺の比です。求めたい底辺BPは次のように出ます。

BP = 底辺BC ×(指定面積 ÷ 全体面積)
  = 60.00 ×( 800.00 ÷ 1200.00 )= 40.00 m

③ 分割点Pの座標を出す

PはB(10, 10)からC(10, 70)へ向かって、底辺BC(60m)のうち40mだけ進んだ点です。BCはYだけが増える向きなので、PのY = 10 + 40 = 50.00、XはBやCと同じ10のままです。

分割点 P =( X 10.00 , Y 50.00 )

④ 座標法で検算する

求めたPを使い、△ABP(A・B・Pの3点)の面積を座標法で計算して、指定した800.00㎡になるか確かめます。倍面積は各点の「X ×(次のY − 前のY)」の合計です(向きで符号が変わるので、最後に絶対値をとって2で割ります)。

X次のY − 前のYX ×(次のY − 前のY)
A50.00Y_B − Y_P = 10 − 50 = −40.00−2000.00
B10.00Y_P − Y_A = 50 − 10 = 40.00400.00
P10.00Y_A − Y_B = 10 − 10 = 0.000.00
倍面積(合計)−1600.00

倍面積の絶対値は1600.00。地積 = 1600.00 ÷ 2 = 800.00㎡ となり、指定した面積とぴったり一致します。残りの△APCは 1200.00 − 800.00 = 400.00㎡ です。

まちがえやすいポイント

「面積の比=底辺の比」が使えるのは、分割線が三角形の頂点を通るときだけです。辺の途中どうしを結ぶ分割線では、高さが共通にならないため、この単純な比は使えません。その場合は、補助線でいったん三角形に追い込み、底辺×高さ÷2から高さ(分割点までの距離)を逆算します。また、実務では最終的な地積に端数処理が必要になる点にも注意します。

理解度チェック

Q. 三角形の頂点から底辺上の点へ分割線を引くとき、2つの三角形の面積の比は、底辺の比に等しい。○か×か。

○。頂点から底辺までの高さが共通になるため、面積の比=底辺の比です。指定面積から底辺の長さを逆算して、分割点を求められます。

Q. 分割線が三角形の頂点を通らず、辺の途中どうしを結ぶ場合でも、「面積の比=底辺の比」で分割点を出せる。○か×か。

×。頂点を通らないと高さが共通になりません。補助線で三角形に追い込み、底辺×高さ÷2の関係から高さ(分割点までの距離)を逆算します。

まとめ

面積指定の分割は、土地を三角形に追い込み、三角形の面積=底辺×高さ÷2の関係で分割点を逆算するのが基本です。分割線が頂点を通るときは、面積の比=底辺の比で分割点の位置を出せます。

最後は必ず座標法で分割後の面積を検算し、指定どおりになっているかを確かめましょう。関数電卓の複素数機能を使うと、分割点の座標計算を速く進められます。

参考にした資料

・面積指定による分割の考え方(土地を三角形に追い込み、底辺×高さ÷2の関係から分割点を逆算する)について、土地家屋調査士試験の受験解説(中山祐介「合格ブログ」面積指定の考え方 ほか)で確認。座標法(座標求積法)の面積公式もあわせて確認。

・本文の計算例は、当編集部が作成した仮の数値によるもので、座標法で検算しています。公式の解答例ではありません。

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

この記事を書いた人

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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