この記事の要点
登記の床面積は、各階の壁その他の区画の中心線(壁芯)で囲まれた部分の水平投影面積です(不動産登記規則115条)。
周壁のないバルコニー・ベランダ・ポーチ・屋外階段・車庫などは、外気と分断されていないため算入しません。
算入するかどうかの軸は、建物認定と同じ外気分断性(屋根・周壁で外気と分断されているか)です。
床面積とは、建物の各階ごとに、壁その他の区画の中心線(壁芯)で囲まれた部分の水平投影面積のことです(不動産登記規則115条。区分建物では内側線で囲まれた部分)。
ただし、屋根や床があっても、すべての部分が床面積に入るわけではありません。
入るか入らないかは、その部分が外気と分断されているか(外気分断性)で決まります。
周壁がなく外気と分断されていない部分は、床面積に算入しません。代表的なものは次のとおりです。
| 部分 | 床面積 | 理由 |
|---|---|---|
| 周壁のないバルコニー・ベランダ | 算入しない | 外気と分断されていない |
| 周壁のないポーチ | 算入しない | 外気と分断されていない |
| 屋外階段・屋外廊下 | 算入しない | 外気に開放されている |
| 周壁のない車庫 | 算入しない | 外気と分断されていない |
逆に、屋根・周壁で囲まれて外気と分断され、建物の一部として使える空間は床面積に算入します。判断の軸は「床があるか」ではなく「外気と分断されているか」です。
出窓は、一定の要件(高さや形状など)を満たす場合に床面積へ算入されます。要件は不動産登記事務取扱手続準則82条に定められているので、具体的な基準はそちらで確認してください。
いずれにせよ、考え方の根っこは「外気と分断され、建物の一部として使える空間か」という外気分断性です。
床面積の算入・不算入は、記述式で実際に判断させられます。
令和6年度(午後の部)第22問(建物の記述式)では、出窓の寸法、周壁のない車庫部分、外気と分断されていないバルコニー・屋外廊下などが示され、どこを床面積に算入し、どの部分を建物として登記できるかが問われました。外気分断性を軸に一つずつ判断するのがポイントです。
混同しやすい用語の整理
「登記の床面積」と「建築基準法の床面積」
登記(不動産登記法)の床面積と、建築確認(建築基準法)の床面積は、算入の考え方が違うため一致しないことがあります。たとえば周壁のない車庫や屋根のある屋外廊下などで差が出ます。「確認通知書の面積=登記の面積」と考えないよう注意しましょう。
Q. 登記の床面積は、各階の壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積で求める。○か×か。
○。不動産登記規則115条のとおりです(区分建物では内側線で囲まれた部分)。
Q. 周壁のないバルコニーは、床と屋根があれば床面積に算入する。○か×か。
×。周壁がなく外気と分断されていないため、床・屋根があっても算入しません。判断の軸は外気分断性です。
Q. 建築確認の床面積と登記の床面積は、必ず一致する。○か×か。
×。算入の考え方が違うため、周壁のない車庫や屋外廊下などで一致しないことがあります。
登記の床面積は壁芯で囲まれた水平投影面積で、算入するかは外気分断性で決まります。周壁のないバルコニー・ポーチ・屋外階段・車庫は算入しません。
建物認定の3要件のひとつ「外気分断性」と同じ考え方なので、あわせて押さえると理解が深まります。
この論点が問われた過去問の解説です(新しい年度から順)。
参考にした資料
・不動産登記規則 第115条(床面積)/不動産登記事務取扱手続準則 第82条(床面積の取扱い)
・登記の床面積に算入しない部分(バルコニー・ポーチ・屋外階段・車庫等)について、土地家屋調査士・登記関連の解説で確認
・令和6年度 土地家屋調査士試験 午後の部 第22問(建物の記述式)/法務省 公式問題
※出窓など個別部分の算入要件の詳細は準則82条をご確認ください。法令・準則は改正されることがあります。内容確認日:2026年6月13日。
まちがえやすいポイント
「床や屋根があれば床面積に入る」と考えるのは誤りです。バルコニーや屋外廊下のように、床・屋根があっても周壁がなく外気と分断されていない部分は算入しません。判断の軸は「床の有無」ではなく「外気分断性」です。