この記事の要点
法定相続情報証明制度は、相続人が戸籍関係書類一式と法定相続情報一覧図を登記所に提出し、登記官が認証文を付した写しを交付する制度です。相続や年金などの手続で、戸籍の束の代わりに使えます。
申出先は、被相続人の本籍地・最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地のいずれかを管轄する登記所です。
一覧図の相続人の住所は任意記載で、再交付は当初の申出人のみができます。
法定相続情報一覧図とは、被相続人と相続人の関係を一覧にした図で、登記官の認証を受けることで、戸籍関係書類一式の代わりに各種の相続手続に使えるものです(法定相続情報証明制度)。
相続が起きると、いくつもの手続でそのつど戸籍の束を提出する必要があります。この制度を使うと、認証文付きの一覧図の写しを必要な数だけ交付してもらえ、手続が楽になります。
保管・交付の申出は、次のいずれかを管轄する登記所にできます。
一覧図に相続人の住所を記載するかどうかは任意です(ただし、不動産の相続登記に使う場合は住所が必要になります)。
また、この制度は相続全般・年金などの手続にも使えるため、被相続人が不動産の表題部所有者や所有権の登記名義人であることは要件ではありません。不動産を持っていなくても申出ができます。
法定相続情報一覧図の写しの再交付は、当初の申出をした申出人のみがすることができます。ほかの相続人が再交付を受けることはできません。
令和5年度(午後の部)第19問では、法定相続情報一覧図の保管・写しの交付の申出をめぐり、申出先(申出人の住所地でもよいか)、一覧図への相続人の住所の記載(任意か必須か)、被相続人が不動産の登記名義人であることが必要か、再交付ができる人などが問われました。「住所は任意」「不動産所有は要件でない」「再交付は当初の申出人のみ」を押さえておくと対応できます。
Q. 法定相続情報一覧図の保管の申出は、申出人の住所地を管轄する登記所にもできる。○か×か。
○。被相続人の本籍地・最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地のいずれかにできます。
Q. 法定相続情報一覧図には、相続人の住所を必ず記載しなければならない。○か×か。
×。相続人の住所の記載は任意です(不動産の相続登記に使う場合は住所が必要になります)。
Q. 法定相続情報一覧図の写しの再交付は、当初の申出人以外の相続人もすることができる。○か×か。
×。再交付ができるのは、当初の申出をした申出人のみです。
法定相続情報証明制度は、登記官が認証した一覧図の写しを戸籍の束の代わりに使える制度で、申出先は4つの登記所のいずれか、相続人の住所は任意、再交付は当初の申出人のみです。
「住所は任意」「不動産所有は要件でない」「再交付は当初の申出人のみ」を押さえておきましょう。
この論点が問われた過去問の解説です(新しい年度から順)。
参考にした資料
・不動産登記規則(法定相続情報一覧図)/法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」/制度の概要について、司法書士・税理士等の解説で確認
・令和5年度 午後の部 第19問(法定相続情報一覧図)/法務省 公式問題
※制度・取扱いは変更されることがあります。最新の情報は法務局・法務省でご確認ください。内容確認日:2026年6月13日。
まちがえやすいポイント
一覧図に相続人の住所を記載することは任意で、「記載しなければならない」とするのは誤りです。また、被相続人が不動産を持っていること(表題部所有者・所有権の登記名義人であること)は、この制度を使うための要件ではありません。再交付ができるのは当初の申出人だけ、という点もあわせて押さえましょう。