この記事の要点
区分建物(マンション)の登記記録は、表題部が一棟の建物の表題部と専有部分の建物の表題部の二重構造になっています(不動産登記規則4条3項)。
一棟の建物の表題部には、一棟全体の表示と敷地権の目的である土地の表示が記録されます。
専有部分の建物の表題部には、その住戸の表示と敷地権の表示が記録され、権利部(甲区・乙区)は専有部分ごとに設けられます。
区分建物とは、1棟の建物を、構造上・利用上独立した複数の部分(専有部分)に分けたものです。マンションが典型例です。
区分建物の登記記録は、通常の建物と違い、表題部が「一棟の建物」と「専有部分」の二重構造になっているのが特徴です。
通常の建物の登記記録の構成は登記記録の構成(表題部と権利部)で扱いました。ここでは区分建物に特有の見方を整理します。
一棟の建物の表題部には、まずマンション1棟全体の表示が記録されます。所在・建物の名称・構造・床面積です(不動産登記法44条)。
あわせて、その一棟が建っている土地について敷地権の目的である土地の表示が記録されます。土地の符号・所在及び地番・地目・地積です。
専有部分の建物の表題部には、住戸ごとの表示が記録されます。家屋番号・建物の名称(部屋番号)・種類・構造・床面積です。
その住戸に対応する敷地権の表示(敷地権の種類・割合・原因及びその日付)も、専有部分の表題部に記録されます(不動産登記法44条)。敷地権の種類は所有権のほか、地上権・賃借権などのこともあります。
敷地権そのものの意味は敷地権とは(敷地利用権との違い)で扱っています。
敷地権の登記がされると、登記官が職権で、敷地である土地の登記記録に敷地権である旨の登記をします。
これ以後は、専有部分(区分建物)についてした所有権などの登記が土地の敷地権にも効力を持ち、土地について別々に登記をする必要がなくなります。
区分建物の登記記録の構成は、択一の空欄補充や登記記録を読ませる形で問われます。
平成30年度(午後第11問)では区分建物・敷地権が空欄補充で、令和2年度(午後第15問)では敷地権付き区分建物の登記記録が問われました。令和2年度(午後第14問)・令和7年度(午後第13問)でも敷地権が問われています。
Q. 区分建物の登記記録の表題部は、一棟の建物の表題部と専有部分の建物の表題部の二重構造になっている。○か×か。
○。一棟の建物の表題部(一棟全体+敷地権の目的である土地)と、専有部分の建物の表題部(各住戸+敷地権の表示)で構成されます。
Q. 敷地権の表示は、一棟の建物の表題部にのみ記録され、専有部分の表題部には記録されない。○か×か。
×。敷地権の表示(種類・割合・原因及びその日付)は、専有部分の建物の表題部に記録されます。一棟の表題部に記録されるのは「敷地権の目的である土地の表示」です。
Q. 敷地権である旨の登記は、敷地である土地の登記記録に、登記官の職権でされる。○か×か。
○。敷地権の登記がされると、登記官が職権で土地の登記記録に敷地権である旨の登記をします。
区分建物の登記記録は、一棟の建物の表題部(一棟全体+敷地権の目的である土地)と、専有部分の建物の表題部(各住戸+敷地権の表示)の二重構造です。
「敷地権の目的である土地の表示=一棟の表題部」「敷地権の表示=専有部分の表題部」の対応で押さえましょう。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 令和7 No.13 | 5 | 敷地権 |
| 令和6 No.18 | 4 | 区分建物の登記 |
| 令和2 No.15 | 2 | 敷地権付き区分建物の登記記録 |
| 令和2 No.14 | 1 | 敷地権 |
| 平成30 No.11 | 4 | 区分建物・敷地権(空欄補充) |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。
参考にした資料
・不動産登記法44条・不動産登記規則4条3項(区分建物の登記記録の構成・別表3)/区分所有法(敷地利用権・分離処分の禁止)/e-Gov法令検索・法務省で確認
・平成30年度 午後第11問/令和2年度 午後第14問・第15問/令和7年度 午後第13問/令和6年度 午後第18問/法務省 公式問題・正解
※法令は改正されることがあります。最新の不動産登記法・規則は法務省・e-Govでご確認ください。内容確認日:2026年7月17日。
まちがえやすいポイント
家屋番号が付くのは専有部分で、一棟の建物には家屋番号は付きません(一棟には建物の名称)。また、敷地権の表示は専有部分の表題部にされ、敷地である土地の登記記録には「敷地権である旨の登記」が登記官の職権で記録されます(所有者の申請ではありません)。