この記事の要点
調査士は、法務省令の定める基準に従い事務所を設けなければならず(調査士法20条)、二以上の事務所を設けることはできません(施行規則18条)。
補助者は、業務の補助をさせるために置くことができます(施行規則23条1項)。
補助者を置いたとき・置かなくなったときは、遅滞なく所属の調査士会に届け出ます(同条2項)。
調査士法は毎年1問出ますが、その中で事務所と補助者は繰り返し顔を出します。
どちらも条文は短く、覚える点がはっきりしています。
調査士は、法務省令の定める基準に従い、事務所を設けなければなりません(調査士法20条)。
その基準を定める施行規則18条は、調査士は、二以上の事務所を設けることができないとしています。
調査士は、その業務の補助をさせるため補助者を置くことができます(施行規則23条1項)。
「置かなければならない」ではなく、置くことができるという定めです。
補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を所属の調査士会に届け出なければなりません(施行規則23条2項)。
補助者を置かなくなったときも、同じく届け出ます(同項)。
届出を受けた調査士会は、その旨を、調査士会の事務所の所在地を管轄する法務局または地方法務局の長に通知します(同条3項)。
補助者の届出の相手は、所属の調査士会です。
調査士から直接、法務局や連合会に届け出るのではありません。法務局長への通知は、届出を受けた調査士会がします。
補助者を使っても、業務上知り得た秘密を保持する義務は調査士にあります。
土地家屋調査士の義務(依頼に応ずる義務・秘密保持義務・22条・24条の2)
事務所は、平成29年度・平成30年度・令和元年度・令和3年度・令和4年度・令和6年度・令和7年度と、調査士法の設問で繰り返し出ています。
補助者も、令和2年度・令和3年度・令和6年度・令和7年度で問われました。
「二以上の事務所は不可」と「補助者は調査士会に届出」を押さえておくと、多くの肢が判断できます。
Q. 調査士は、業務の必要に応じて二以上の事務所を設けることができる。○か×か。
×。施行規則18条により、調査士は二以上の事務所を設けることができません。
Q. 調査士は、補助者を置いたときは、遅滞なくその旨を法務局または地方法務局の長に届け出なければならない。○か×か。
×。届出先は所属の調査士会です(施行規則23条2項)。法務局長への通知は、届出を受けた調査士会がします(同条3項)。
Q. 調査士は、補助者を置かなくなったときも、その旨を所属の調査士会に届け出る。○か×か。
○。施行規則23条2項が、置いたときと置かなくなったときの両方について届出を定めています。
調査士は二以上の事務所を設けることができず、補助者は業務の補助のために置くことができ、置いたとき・置かなくなったときは遅滞なく所属の調査士会に届け出ます。
補助者の届出先は調査士会で、調査士会が法務局長に通知します。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 令和7 No.20 | 4 | 土地家屋調査士・調査士法人(事務所・補助者を含む) |
| 令和6 No.20 | 2 | 土地家屋調査士・調査士法人(事務所・補助者を含む) |
| 令和3 No.20 | 5 | 土地家屋調査士・調査士法人(事務所・補助者を含む) |
| 平成29 No.20 | 5 | 土地家屋調査士法人(事務所を含む) |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。各問は事務所・補助者のほか複数の論点を含みます。
参考にした資料
※法令は改正されることがあります。最新の条文をご確認ください。内容確認日:2026年7月16日。
まちがえやすいポイント
調査士は事務所を複数持つことができません(施行規則18条)。本店・支店のように事務所を分けて業務を行うことはできず、事務所は1つです。調査士法人が主たる事務所・従たる事務所を設けられるのとは別の話で、ここでの制限は個人の調査士についてのものです。