この記事の要点
分筆の登記を申請できるのは、表題部所有者または所有権の登記名義人だけです(不動産登記法39条1項)。
申請情報の内容は分筆後の土地の所在・字・地目・地積、添付情報は分筆後の土地の地積測量図です(令別表8の項)。
地積測量図には分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地に符号を付します(規則78条)。
分筆の登記は択一で毎年のように問われますが、聞かれているのは誰が申請してどの情報を出すかという手続の中身です。
条文は法39条と令別表8の項、規則78条の3か所に分かれています。
分筆の登記は、一筆の土地を複数の土地に分ける登記で、表題部所有者または所有権の登記名義人が申請します(法39条1項)。
分筆と地積更正の違いは、下の記事にまとめてあります。
分筆登記と地積更正登記の違い(「分ける」登記と「面積を直す」登記)
法39条1項は、分筆または合筆の登記について「表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない」と定めています。
合筆の登記と同じ条文で、申請人の範囲も同じです。
申請情報の内容とするのは、分筆後の土地の所在する市・区・郡・町・村・字と、その土地の地目・地積です。
地役権の登記がある承役地を分筆する場合において、地役権設定の範囲が分筆後の土地の一部であるときは、その設定の範囲も申請情報の内容になります。
添付情報は、分筆後の土地の地積測量図です(令別表8の項)。
その地積測量図には、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、これに符号を付さなければなりません(規則78条)。
地役権の登記がある承役地の分筆で、地役権設定の範囲が分筆後の土地の一部であるときは、その範囲を証する地役権者が作成した情報、またはその地役権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報と、地役権図面を添付します(令別表8の項)。
分筆の登記に、1ヶ月以内の申請義務はありません。
分ける必要が出たときに任意で申請する登記です。
申請がない場合でも、一筆の土地の一部が別の地目となったときや地番区域を異にするに至ったときは、登記官が職権で分筆の登記をします(法39条2項)。
地図を作成するため必要があると認めるときの職権分筆・合筆もあります(同条3項)。
分筆した土地の地番は、分筆前の地番に支号を付して定めます(準則67条1項4号)。
求積の方法は、全筆求積と残地求積で扱いが分かれます。
分筆の登記は、令和7年度・令和6年度・令和5年度・令和4年度・令和3年度・令和2年度と、直近で毎年のように出ています。
申請適格、地積測量図の内容、分筆と権利の扱い、一の申請情報で合筆と併せて申請できるかが、繰り返し問われる角度です。
Q. 分筆の登記は、表題部所有者または所有権の登記名義人以外の者も申請することができる。○か×か。
×。法39条1項が、この2者以外の者は申請することができないと定めています。合筆の登記も同じです。
Q. 分筆の登記の添付情報である地積測量図には、分筆後の各土地だけを表示すれば足りる。○か×か。
×。分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、符号を付します(規則78条)。
Q. 土地の一部を分筆して他の土地に合筆する場合、分筆の登記と合筆の登記は一の申請情報によって申請することができる。○か×か。
○。不動産登記規則35条1号にあたります。
分筆の登記は表題部所有者または所有権の登記名義人が申請し、添付情報は分筆後の土地の地積測量図で、その図には分筆前の土地と分筆線・符号を表示します。
申請義務はなく、地番は分筆前の地番に支号を付して定めます。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 令和7 No.11 | 3 | 分筆の登記 |
| 令和6 No.8 | 1 | 土地の分筆の登記 |
| 令和5 No.9 | 4 | 土地の分筆の登記 |
| 令和4 No.8 | 3 | 土地の分筆の登記 |
| 令和3 No.11 | 3 | 分筆の登記 |
| 令和2 No.9 | 4 | 土地の分筆の登記 |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。
参考にした資料
※法令は改正されることがあります。最新の条文をご確認ください。内容確認日:2026年7月16日。
まちがえやすいポイント
分筆後の土地の地積測量図は、分筆後の各土地だけを描いたものではありません。規則78条は、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、符号を付すことまで求めています。「分筆後」という名前につられて、分かれた後の土地だけの図を思い浮かべないようにしましょう。